中野区全域でも、インフルエンザの流行が続いています。嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を伴うケースも増えています。何か症状がある場合は、必ず受診し、医師の診断を受けてください。なお、インフルエンザに関して、今年度は、意見書は必要ありません。他の感染症は、これまでどおり、意見書や登園届が必要です。よろしくお願いします。
【 潜伏期間も人にうつす 】
発症前日からウイルスは排泄されています。潜伏期間は約24時間(1~2日)です。
【 インフルエンザの症状いろいろ 】
最も頻度が高いのは発熱です。微熱の場合もあります。鼻水と咳を伴うことが多いです。発熱+嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状もあります。また、インフルエンザは、もともと熱性けいれんを起こしやすいウイルスです。けいれんの時間が短く、左右対称で、すぐに意識も清明になれば、熱性の可能性が高いです。しかし、区別は難しいと思います。必ず受診しましょう。
【 こどもは重症化しやすい 】
0~4歳児の入院が多いです。入院理由は、6ヵ月未満では、細気管支炎と敗血症の疑いが多く、6ヵ月以上ではそれに加え、けいれんと肺炎の頻度が増えます。
【 検査を受けるタイミング 】
発症から12時間以内だと、感度は40%前後まで低下します。発症48時間を経過すると検出率は低下します。つまり、発症翌日に検査すると、一番効率がよさそうです。しかし、高熱や、症状がひどい、ぐったりしているなどの場合は、それとは関係なく、速やかに受診してください。
【 抗インフルエンザ薬の効果 】
48時間以内に投与すれば、有症期間を1日程短縮できます。できれば24時間以内に投与すると効果が高いと言われています。
【 抗インフルエンザ薬の副作用 】
タミフルの副作用で一番多いのが嘔吐などの消化器症状で、5~10%に見られます。リレンザは乳製品に対して過敏症の既往がある子におけるアナフィラキシーの報告があるので注意が必要です。
【 再発熱に注意 】
経過中、いったん解熱した後、24時間以上の間をあけて再発熱することがあります。なんの合併症もなく1週間前後で再発熱することもあります。中耳炎や肺炎を起こしていることもあります。必ず受診してあげてください。
インフルエンザが流行しています。保育園は学級閉鎖もなく、完全隔離は難しく、感染拡大しやすい施設です。そんな保育園での感染予防について今一度掘り下げてみます。
【 手洗い 】
門を入ったら、まず、水やお湯と石鹸で手洗い30秒以上。その後、アルコール消毒をしてください。アルコール消毒だけで感染予防するためには、多量にアルコールをすりこみ蒸発させる必要があります。限られた資源です。ご協力よろしくお願いします。また、できるだけ、爪は短く整えておきましょう。
【 マスク 】
園内では、大人は必ずマスクで鼻と口を覆ってください。持病などでできない人は不要です。また、マスクを触るのは必要最小限にし、触った後は必ず手を洗いましょう。
【 咳・クシャミエチケット 】
①マスクをつけて
②マスクが無い場合はティッシュで覆って、その後手洗い。
③ティッシュも無い場合は、腕で覆って、その後腕・手を洗う。
【 粘膜に触れない 】
目や鼻、口など、粘膜に触れないように心がけましょう。
【 規則正しい生活 】
決まった時間に寝て起きて食事を摂る。栄養バランスのとれた食事。適度な運動。この「規則正しい生活」を送ることにより、自律神経、ホルモンバランスが整えられ、免疫力が向上します。また、生活の秩序を保つことにより、こどもは見通しと安心感をもって暮らせるようになり、心理的発達にも好影響をもたらします。
【 受診 】
発熱は受診。熱がなくとも咳やくしゃみ、ノドの痛み、頭痛、腹痛、下痢、吐き気、関節痛、発疹、倦怠感などの何か症状がある場合は、必ず受診しましょう。また、受診後も、症状が改善しない、悪化している場合は、再受診しましょう。
中野区全域で、新型コロナウイルス感染症、胃腸炎流行の園が散見されます。現在の新型コロナウイルス感染症は、こどもの感染率も高く、胃腸炎から始まることが多いようです。胃腸炎の割には、脈が弱く、末梢の冷感が強い子が、心筋炎となり、重症化するケースも増えているとのこと。ウイルスがどのように変化していくかも、まだわかりません。できるだけ人混みは避け、手洗いを励行し、感染予防に努めましょう。
嘔吐下痢は感染性胃腸炎
非感染性の胃腸炎とは、食物アレルギーや腸重積、腸閉塞、胆のうの病気など、重症な病気が原因のものです。
【 診断はどうするの? 】
症状で診断されます。ウイルスの違いでは治療は変わりません。対症療法が基本です。そのため、必ずしも便の検査が必要なわけではありません。
【 経口補水液 】
OS-1など、経口補水液を常備しておきましょう。スポーツ飲料は、糖度が高過ぎるため、腸からの吸収が悪いのです。経口補水液を嫌がる場合は、果汁100%のリンゴジュースと半々で混ぜてみましょう。それも苦手な場合は、塩分も補給できるお味噌汁やスープ、薄めたリンゴジュースなどを、あげてみてください。いずれにせよ、少しずつ根気よくです。
【 吐いてすぐに飲ませない 】
例え水であっても、吐いた後すぐに飲むと、また吐きます。吐くとノドが乾くので、水分を欲しがりますが、ここは我慢です。10分程様子を見て、ティースプーン1杯程度の水分を与え、大丈夫そうなら、また1杯と、少しずつ水分摂取させてあげましょう。
【 脱水に注意 】
胃腸炎で注意しなければならないのが脱水症です。小児が脱水症を発症しやすい理由として、小児の体液の出入りが成人よりも早いことが挙げられます。皮膚に張りがない、爪を5秒間圧迫して爪の赤みが回復するまでに2秒以上かかる、尿が減った、落ちくぼんだ目、脈が弱い速い、呼吸が浅い速い、などがあれば、脱水の可能性が高いです。
【 むやみに使わない 下痢止め 吐き気止め 】
下痢止めや吐き気止めを飲むと、ウイルスを中にとどめておくことにもなります。医師は「必要」「内服した方が良い」と判断した場合、処方します。以前処方されたものや、市販薬を、勝手に飲むことはやめましょう。
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