保健室より

2024年度4月

4月は疲れが出やすい時期です。こどもたちも家庭とは異なる環境下で、緊張の連続です。在園児も部屋や保育士が変わり、緊張しています。できるだけ規則正しい生活リズムで、新しい生活に慣れていきましょう。

【手洗い30秒以上】
手は最も感染源となりやすい部位です。大人もこどもも、登園したらまず、門を入ってすぐの手洗い場で、30秒以上手を洗ってください。

【体調チェック
機嫌、顔色、睡眠は十分か、平熱か、眼症状(めやに、充血、かゆみ)、咳や鼻水、下痢や嘔吐 吐き気 腹痛、頭痛、発疹、とびひ、痛い部位、頭 他のどこかを打撲、ケガ、やけど、割れ爪、歯が抜けそう 等々 … どんな些細なことでも「いつもと違う」ことは、必ず登園時にお知らせください。また、病気やケガは必ず受診し、医師に「登園して他の子にうつさないか」「登園して症状が悪化、急変の危険性はないか」「ケガは保育可能な状態か」などを診断してもらってください。

【欠席や早退】
新型コロナの第5類移行後、欠席早退の内訳は、2023年度の「各感染症にかかった人数」「熱や呼吸器症状を発症した人数」は いずれも、過去1~2位の多さです。今年度も年間の早退欠席日数は、0~2歳児クラス=20~30日、3~5歳児クラス=10~15日ぐらいになるのではないかと推測しています。

2023年度3月

 花粉症のシーズンです。原因となる花粉は61種類もあります。小児は特に、鼻炎症状が多いです。今月はアレルギー性鼻炎についてお届けします。

 …かゆみ…
 アレルギー性鼻炎では痒みを生じます。こどもは痒みを適切に訴えないことがあります。鼻を下から上に強くこすったり、軟口蓋(のどちんこの手前)に独特の出血斑が見られたりします。鼻の痒みを解消するために、舌打ちするのが原因のようです。

初期療法
以前は花粉飛散期より前から治療を開始することが勧められていましたが、最近は症状が出現し始めたらすぐに治療を開始することも初期療法に含めています。花粉症の治療は、症状がひどくなってから治療を開始するよりも、早めに治療を開始した方が、ピーク時の症状を抑えられます。

抗ヒスタミン薬
寝る前に内服した抗ヒスタミン薬の眠気は、翌日にも影響する場合があります。内服している場合は、職員へお知らせください。

鼻噴霧ステロイド
ステロイドという表記のためか、不安を感じる人もいます。しかし、最近の鼻噴霧ステロイドは、全身的な副作用が極めて少なくなり、リスクは低いです。軽症でも使用し、抗ヒスタミン薬以上に有効性が高いです。また、種類によっては眼症状にも効果を示します。

市販の点鼻薬
血管収縮剤の含まれた物が多いです。これは鼻づまりに短期的な有効性が高いものの、長期間使用することで薬剤性鼻炎を引き起こします。使用している場合は、必ず主治医へ伝えましょう。

鼻洗浄
鼻洗浄とは、生理食塩水(食塩濃度0.9%)で鼻腔を洗浄することで、鼻うがいとも言われます。簡便なキットが販売されており、生理食塩水を使用すれば痛みもほとんどありません。毎日行うことで薬物療法を少なくすることができます。

2023年度2月

 嘔吐・下痢・腹痛などの感染性胃腸炎が12月~1月遷延化しました。保育園のような密接した集団生活の場、症状があっても登園せざるを得ない状況など、感染拡大防止は非常に困難な環境です。今後とも、感染拡大防止にご協力ください。

 発症者数 … 12月11日~28日=21名、1月4日~16日=23名

便秘
 こどもの便秘はよくあります。「週に2回以下」「5日以上出ない日が続く」「毎日出ていても、出すときに痛がる、肛門が切れて血が出る、硬い便、コロコロの便」などは便秘と考えます。便秘は腸内細菌叢(そう)を乱し「便が勝手にもれる」「硬い便の奥から便(べん)汁(じゅう)がもれる」便失禁をしてしまいます。大人になるまで治療が必要な場合もありますが、適宜 治療すれば、快適に暮らせます。治療は早く始めた方が経過は良いです。再発もとても多いです。再発した場合は、すぐに治療を再開しましょう。成長し「便秘=当たり前のこと」「自尊心から便失禁を隠す」ようになると、なかなか治せません。

悪循環
 便秘症は放置しておくとだんだん悪くなります。硬い便を出して肛門が切れ痛い思いをすると「次の排便を我慢」「肛門の筋肉を緩めながらいきむ」「両足をクロスして便を我慢」するようになります。しばらく我慢していると便は出なくなります。そしてそのまま大腸に便が残ります。大腸は便から水分を吸収し便はどんどん硬くなり、排便するときには、非常な痛みを伴います。そしてますます便を我慢するという悪循環に陥ります。このような状態が続くと、常に便が直腸に留まり、腸はだんだんと鈍感になります。通常は、直腸に便が溜まれば便意を生じるのですが、それが起こり難くなります。そしてますます便は長く腸に留まり硬くなります。

治療
 浣腸や飲み薬で出します。浣腸はすぐに効果が得られ楽になります。しかし硬い便を出すことになり苦痛を伴う可能性もあります。肛門を触られることに恐怖心が強い、且つすぐに出さなくて良い場合は、下剤を使うこともあります。効果は1~2日かかります。また、年齢などの条件により、効果の低い内服薬を使わざるを得ないこともあります。良い排便に必要なものは「自律神経の働き」です。これは生活環境や食事内容だけで整えることはできません。早めに受診してあげましょう。

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